食文化・ヨーロッパ研修⑤2月9日編(その①)

食文化学科のヨーロッパ研修の続編です。

★2月9日①(トリノ→リヨン)

さあ本日は国境を越えて、フランスへ入る日。
本日も全員、きちんと早起きして集合!
アルプスを眺めながら、バスはフランスを目指します。



とはいえ、実はトリノからリヨンまでの移動時間は、なんと5時間!
とにかく体力勝負の梅花・食文化研修です。。。
そしてお昼を過ぎるころに、バスは食の都リヨンに無事到着!
5時間移動の疲れをみせず、学生一同、早速市内を歩きます。

まずはフルヴィエールの丘にあるノートルダム寺院へ!
丘からの素晴らしい眺めを堪能し、記念撮影。



次にバスは旧市街地へ。
古き良き街並みを散策しながら、飲食店やパティスリーの様子をうかがいます。
リヨン名物赤いプラリネを使ったお菓子やブリオッシュも、各店のウィンドーを彩っておりました。



古くから交通の要衝として栄えたリヨン。
ソーヌ川、ローヌ川という二つの河川の恵みにあずかり、国際色豊かな生活文化を築いてきたばかりでなく、
中世には、絹織物の産業都市としても発展致しました。
皆さんもご存知のように、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている「フランスの美食術」。
現在フランスでは、この登録を受け、シテ・ド・ガストロノミー(美食の都市)として、
パリ・ランジス、リヨン、トゥール、ディジョンを認定する気運も高まっているといいます

とはいえ、リヨンの名物料理には、実は高級食材ではなく、内臓系のお料理が多いのも事実。
例えば、牛の胃のパン粉焼「タブリエ・ド・サプール」、
鳥レバーのムース「ガトー・ド・フォワ・ド・ヴォライユ」、
豚の血液のソーセージ「ブーダン・ノワール」、
豚などの内臓類で作ったソーセージ「アンドゥイエット」などが、
ブションの定番メニュー!贅を尽くすような料理がメインではないんです。
(ちなみにリヨンでは、大衆向けビストロをブションといいます。)


また産業革命や第一次世界大戦等の影響で、男性シェフたちの活躍が衰退した19世紀末頃から、
リヨンの外食ビジネスを盛り上げたのは、女性料理人たちだったというのも本当のところ。
彼女たちは、「メール・リヨネーズ(リヨンの母)」と呼ばれ、家庭料理と高級料理をアレンジした、
シンプルでいて、魅力的な名物料理の数々を編みだしました。

また20世紀中葉に、女性として初めてミシュランを獲得した
ウジェニー・ブラジェ(Eugenie Brazier)は、何とリヨンの女性シェフ!
女性シェフの活躍が、食の都の根幹を築いたなんて、何だかワクワクしますね。
そしてそのお弟子さんが、世界的に名高いポール・ボキューズ(Paul Bocuse)!
「フランス料理の大使」とも称された名実ともに有名なグランシェフです。

なんと食文化一行、本日のディナーは、三ッ星レストラン「ポール・ボキューズ」で会食予定!
旧市街散策後、一旦おめかしのために、ホテルへ。
さてさてどんな「おしゃれ」で集合するのやら...リヨン編Part2に続きます。

続く