食文化・ガラパゴス諸島②

食文化の関野です。ガラパゴス諸島の第2弾をご紹介します。
 

3) ガラパゴス諸島

ガラパゴス諸島はエクアドル本土から太平洋上に1000㎞程西に離れ、
19の島と小さな島々からなっています。
「ガラパゴス」の名は、最初に発見されたゾウガメの甲羅が馬の鞍(スペイン語で馬の鞍 galápago)に
似ていたことから名付けられたそうです。
チャールズ・ダーウィン(英国の自然科学者1809年~1882年)が、
進化論を著すきっかけになった島々です。世界自然遺産の第一号に1978年に登録されました。
チャールズ・ダーウィン研究所に行きました。



ダーウィンの「種の起源」(1859年)から100年目にチャールズ・ダーウィン財団が設立され、
翌1960年にサンタ・クルス島の南沿岸に建設が開始され、1964年正式に研究所が発足したそうです。
ここでは、エクアドルおよび海外の自然科学者が、
ガラパゴスの陸上や海洋の生態系の保全に関する調査研究をしています。
この研究所ではロンサム・ジョージが有名ですが、子孫を残さずに2012年に死亡しました。
ガラパゴスゾウガメのピンタ島亜種で ピンタゾウガメは
これで完全に絶滅した可能性が高いと考えられています。
彼の遺伝子は研究所に保存され、科学の進歩で再生できる機会を待っています。

①ゾウガメ


ダーウィンが島にやってきた当初ゾウガメは約20万頭いたそうです。
ところが、海賊による食用の乱獲などで2万頭に減少したため、
色々なところに贈ったゾウガメを彼は返してもらいました。
その返してもらった最後のゾウガメが10年ほど前に死んだそうです。

ゾウガメの寿命は200歳位だそうですが、人間より長生きするために
まだはっきりとは分かっていません。島によりカメの甲羅の形が独特でウチワサボテンなどの
食べ物の背が高いと鞍型に、低いとドーム型(写真のゾウガメの背甲)の形状に
なっていることが分かりました。この違いが、チャールズ・ダーウィンが進化論の着想を得る
きっかけの一つになったとされています。

②フィンチ
フィンチはスズメのような鳥でたくさんの種類がすんでいました。
毎朝、この鳥たちのさえずりで目覚めました。
棲息状況、特に食べ物によりクチバシの特徴・大きさなどが異なるそうで、
現在でも厳しい自然選択にさらされているそうです。このフィンチの違いの観察とその原因の考察から、
進化論の発想をダーウィンが思いついたため、この島にすむ全てのフィンチを
ダーウィンフィンチと呼ぶようになったそうです。

③イグアナ


トカゲの一種でガラパゴス諸島に侵入したイグアナ類から陸イグアナ、海イグアナへと
それぞれ分化したと考えられています。
写真の左が陸イグアナで、背面の色は赤や黄色みを帯びた美しい色です。
このイグアナは海岸から離れた島の陸上にすみつき、ウチワサボテンが主な食料で
ウミイグアナと違い鋭い爪を持っていません。もっぱら鳥などが食べた時や自然に落ちてくるサボテンを食べていました。

右の写真が海イグアナで、岩の色に近く海岸の岩場に棲みつき、
その四肢にはミズカキと爪が発達しています。主に海中で海草を食べ、
爪で岩にしがみつき安定した姿勢で海草を食べることができる能力を持つようになりました。
陸では食料が少なく陸イグアナが海に進出して、海イグアナに進化したと考えられています。
どちらも寿命は60歳位だそうです。

今、ハイブリッドイグアナと呼ばれるオスの海イグアナとメスの陸イグアナが交雑したイグアナが生存し
問題になっていました。
このハイブリッドイグアナには繁殖能力はなく、一代雑種(F1)しか存在しないので良かったですが、
自然の世界では何が起こるか分かりません・・・不思議ですネ。