食文化・寒天干し②

こんにちは、食文化学科の関野です。
寒天干しの続編をご紹介します。

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さて、茅野・諏訪地方は国内寒天の主要産地で、「寒天の里」の看板があちこちにありました。
また、道の駅などでは寒天販売が大きな場所を占めていました。



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最後に、イヨイヨ本番の寒天干しの光景をJR茅野駅から見に行きました。
茅野・諏訪地方は寒天干しが有名です。


ご存知のように、寒天の材料は海藻の天草(テングサ)で海の無い信州、
茅野・諏訪地方がなぜ国内寒天の主要産地になったのか、興味がありますね。

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これは、関西地方で発明された寒天を信州の行商人小林粂左衛門が、
寒さが厳しく空気の乾いている諏訪地方に伝え、農家の副業として広まったためだそうです。

成功した理由は

①真冬になると八ヶ岳おろしが吹き昼10度、夜0度以下の寒さになり、
かつ乾燥した気候風土が寒天造りに最適だった。

②農民は広い田畑を持ち、米を育て刈り取った後は 寒天を干す田畑に変わった

などです。茅野で寒天造りに成功したのは、自然を利用した先人たちの知恵ですネ。

この寒さと乾燥した気候を利用して高野(凍り)豆腐も有名です。
食品分野以外では、精密機器メーカーもこの風土を利用し、製造工場をたくさんこの地に作っています。

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以上で、寒天干しのシリーズは終了です。