梅花で歴史を学ぶこと ―歴史の講義の紹介

気がつけば、5月も、もう前半が終わってしまいました。
今日は、新任講師の前田より、日本文化創造学科での歴史の講義の一部を紹介します。
 

3年生が選択する演習で、私たちは『春日権現験記絵』という絵巻を読んでいます。
鎌倉時代末に作成され、春日大社(現、奈良市)に奉納されたこの絵巻には、
当時の文化や慣習が描き込まれており、中世社会について知り得る
格好の史料として注目されてきました。

 

一の鳥居(ここから先が、春日大社です)

 

私が、この絵巻を演習の素材に選んだ理由は2点。

①文字だけでなく、絵も読み解くため、学生が興味を持ちやすい。

②実際に絵巻の舞台を旅して、学ぶことができる(後期のフィールドワークで行く予定)。

 

本学科では、講義に加えて、実際に現場を旅して歴史に触れることに重きを置いています。

ただし、フィールドワークは、単なる遊びの旅行ではありません。

学生には、現場を訪れる前に、当地の歴史をきちんと調べて手短にまとめ、
また現地でそれをわかりやすく発表することを求めています。

このことが、将来必ず求められる会議資料の作成やプレゼンテーションのための訓練になると考えるからです。

大好きな歴史を学び、究めながら、社会で必要とされる能力を磨いていってください。
 

実は先日、後期のフィールドワークが待ちきれず、春日大社を訪れてきました。

いま春日大社では、式年造替(ほぼ20年ごとに、本殿をつくりかえます)を記念して、
普段は立ち入れない本殿を特別に公開してます(春日大社ホームページ参照)。

この貴重な機会を逃さず、時間が許す方は、奈良へお出かけになられてはどうでしょうか。
 

なお、注意点としては、いま、春日の神様は、本殿左側の「仮殿」にうつられています。
神様にお願いをする際は、少し左を向いて願うと効果があるかもしれません笑。


南門 (この中が、本殿になります ※内部は撮影禁止)


by maeda