【管理栄養学科】大阪府中央卸売市場食品衛生検査所で体験実習を行いました。

10月7日と10月21日に2年生の食品衛生学実験の授業で大阪府中央卸売市場食品衛生検査所にうかがいました。コロナ禍のため3年ぶりの学外研修となりました。
 
最初に、食品の流通拠点である卸売市場や食品衛生検査所業務についての講義がありました。食品衛生法に基づき、違反食品等の流通を阻止するために、食品衛生監視員の皆様が市場の監視や食品の検査、食品衛生についての正しい知識の普及啓発など、様々な業務を行っていることを説明していただきました。
 
説明の後は、2班に分かれて実際に検査業務で行われている理化学検査(着色料の検査と漂白剤の検査)、細菌検査(黄色ブドウ球菌の検査と他の食中毒菌の確認試験)を体験させていただきました。

 
 
   
TLC(薄層クロマトグラフィー)を用いて着色料の同定試験を体験しました。

           
     
 
   
 
     

最終的に試験液にどの着色料が含まれていたかを判定しました。
むきえびを用いた漂白剤の検査についての実演もしていただきました。

 
   
  

細菌検査実習では、黄色ブドウ球菌の検査と、他の食中毒菌の確認試験を体験しました。



 
 
           
     
 
   
 
     
腸管出血性大腸菌O157のPCR法についても説明していただきました。PCR法では、腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素(VT)の遺伝子をPCR装置で増幅して検出していることがわかりました。
 
   

 

 
最後に、保育園の給食に提供されたブリの照り焼きによるヒスタミン食中毒の事例も紹介いただきました。ヒスタミンは、腐敗した赤身魚でヒスタミン産生菌が増殖することで生成され、食べるとじんましんなどのアレルギー様の症状が出ます。ヒスタミンは加熱では分解されないため、特に一貫した温度管理が重要だということが理解できました。
 
本学の管理栄養学科は、卒業と同時に、食品衛生監視員の任用資格も取得できることから、現場での体験学習を通じて、食品衛生の重要性についてより深く考えたり、食品衛生監視員の業務に興味を持つ学生が増えました。以下は学生の感想です。
 
<体験学習を受けた学生の感想>
  • 実際に衛生検査所に行って、講義を聞いたり、検査をしたりするなど、なかなかできることではないから、とても貴重な経験になった。
 
  • 細菌検査や理化学検査の実習体験はどれも面白かった。
 
  • 食品衛生監視員は、早朝から朝市の監視を行ったり、様々な検査を行い基準以上の値が出たものは、販売停止や自主回収などで流通しないようにしたり、私たちのような訪問(見学)しに来た人への相談も行なっていて、すごい仕事だと思った。 
 
  • 「いただきます」には、食材に対してだけでなく監視員さんに対しても言える言葉じゃないかなと思った。家族にも今日のことを伝えたい。
 
  • 食品衛生監視員は薬剤師や獣医師の資格を持っている方がやっていると聞いて驚いた。色々な職種の方がいるので、自分も少し興味を持った。
 
  • 日本の食料自給率は年々低下しており、輸入食品に頼る食生活がまだまだ続くと思うので、食品衛生監視員の需要はこれからも高まると考えた。
 
  • 危険な細菌の検査をするため、自分自身が感染する可能性があると知った。
 
  • 1つ1つの作業がすごく細かく、気を抜くと命に関わることもあり尊敬する。私もそういう風に人に関わり、やりがいのある仕事に就きたい。
 
最後になりましたが、大阪府中央卸売市場食品衛生検査所ならびに市場の皆様には、大変貴重な機会をいただきましたことをこころより感謝申し上げます。