【食文化学科】日本細菌検査株式会社とのコラボ授業

食品衛生学実習(2年前期)を担当している林です。
この実習では、食品衛生の重要性を実験を通して実感するために、手洗い前後の手の汚れや細菌数の変化、調理実習室内の器具や設備の衛生チェック、野菜や食肉についている細菌数や洗浄・加熱による変化、卵の鮮度検査や食品中の添加物を検出する実験などを行っています。
 
また、毎年、細菌検査キットなどを開発されている日本細菌検査株式会社の方々にお越しいただき、「手からはじめる衛生教室」を開催していただいています。今年も7月22日に開催されました。
 
最初に、会社の概要のご説明があり、経営理念として「微生物由来の食中毒をなくす」ことで食品業界全体に寄与すること、その一環として、これまで多くの幼稚園・保育園で「手洗い教室」を開催されておられることをうかがいました。楽しい実験やクイズ、オリジナルソングなどを活用し、小さい子供でも正しく手洗い方法を学べ、その様子をYouTubeでも発信されておられます。さらに、小・中・高・大学生、外国人技能実習生、高齢者や障害者施設、または地域でのイベントなど、幅広く手洗いの普及活動を推進されておられる功績が認められ、今年2月には大阪府知事賞も受賞されました。

次に、実習では、日本細菌検査株式会社オリジナル商品の「SWAB-Pro」を使い、学生たちの手の汚れの検査を行いました。写真のように、綿棒で手をこすり、たんぱく質汚れに反応して色が変化する液につけることで、汚れの存在を可視化できます。クラス全員の中で、全く汚れが確認できなかったのはたった数名でした。

次に、実際幼稚園で行われた「手洗い教室」の動画を視聴しました。動画の中では、「ぷー」というオリジナルキャラクターが園児と一緒に歌と音楽に合わせて楽しく手洗い方法を学びます。動画を視聴後、サプライズゲストとして、実際に「ぷー」が登場し、学生達とも一緒に手洗いの歌とポーズを行いました!

その後、学生たちも、幼稚園児と同じようにデンプンジェルを手に塗った後、手洗いを行ない、「ぷー」が、汚れがしっかり取れているかどうかを「ふしぎな水」(中身はヨウ素液で、ヨウ素デンプン反応によって黒く反応します)で確かめました。これまで手洗いの実験は、この実習でも何度も行なっているので、さすが全員1回で「ぷー」から合格をいただきました!

最後は「トイレ教室」で、オリジナルの和式トイレのモデル装置を使って、汚れに見立てた青いインクがどこまで飛び散るかという実験を行いました。実際に、体やトイレ内のあちこちに飛び散っているのが目で見て確認できました。特に、ノロウイルス食中毒では、便の中に何億個もの大量のウイルスが存在しており、少しでも手についていると、口から入って感染します。それを防ぐためには、トイレ使用後の手洗いが最も重要です。ちなみに、トイレを使用後、手を洗わないという人が15%程度いるとのアンケート結果もあり、もし、そういう人がノロウイルスに感染していたら、あちこちにノロウイルスをつけてしまい、周りの人にも一気に感染が広がってしまいます。
 
学生たちの感想では、授業の満足度はほぼ100点満点で、「映像や実験がとてもおもしろかった」「改めて手洗いの重要性やトイレでの汚れの広がり方などを学び、日頃から意識していきたい」「子供に教えていきたい」「ぷーというキャラクターを使って楽しく学べるのがいいと思った」「トイレの後に手を洗っていない人がいると知って驚いた」「手洗いの歌が頭に残り、覚えやすい」などの意見が多かったです。

今回もとても有意義な授業を行っていただいた日本細菌検査株式会社の皆様に、心よりお礼を申し上げます。