食文化・南北大東島へ①

みなさん、こんにちは、関野です。
大東諸島に属する北大東島、南大東島に行ってきました、
大東島の名前の島はありません。
沖縄本島から東に370kmほど離れたところに位置し
サンゴ礁が隆起した隆起環礁の島。


ここでは「おじゃりあり(よく来たネ)」「あばよい(さようなら)」と
八丈島の言葉で歓迎です。

これは、北大東島、南大東島共に無人島でしたが
八丈島出身の玉置半右衛門と彼に同行した23名の人々が島々を開拓したためです。

彼はジョン万次郎から鳥島のアホウドリの話を聞き鳥島の開墾の許可を得て
西洋で需要が大きいアホウドリの羽毛、肉、糞で巨万の富を得ました。

アホウドリの乱獲で絶滅の危機に瀕したのと
鳥島火山の大噴火で島からの撤退を余儀なくされました。
そこで、彼はアホウドリさがしと漁場開発を目指し1898年南大東島を発見し
1900年上陸開拓に着手、サトウキビ栽培の島として発展させました。
それから3年後1903年に北大東島へ上陸開拓(パンフレットより)。


ここは沖縄の他の島とは異なり八丈島と沖縄が融合した文化を持つ独特の島。

南北大東島は学校、警察、郵便など住民サービスは玉置半右衛門の玉置商会が行い、
紙幣も大東島(玉置)紙幣で支給した日本で唯一の企業植民地だったそうです、
企業植民地は初めて聞いた言葉です。

八丈島の“島寿司”がルーツの大東寿司。
サワラ・マグロをタレに漬け込み、甘酢めしで握ります。

左のトマトの上はパパイア、その上は柑橘類のシークワァーサーで島特産品ばかり。
どちらも甘くて美味しい。
大東そば(右)は縮れ太麺とあっさり味の和風だし、
具材は卵焼きと豚の角煮で相性も良く美味。
大東“そば”ですが“そば粉”は一切使用せず小麦粉のみ。

シークワァーサーが自生し鈴なりで実り、皆で味見をしました。

島の農家の耕地面積は平均9ヘクタールで大規模経営が確立しています。
家々は畑の周りに点在し台風よけに家の周りには大きな木を植え
地面を掘って建っています。

サトウキビ畑で毎年12~1月が収穫時期、ハーベスターで収穫。
サトウキビは寒くなると糖度が上がりこの糖度の関係で収穫時期が短い。
刈り取り後、株から新しい芽がでてきて5年ぐらい収穫できるそうです。
収穫時期は1日2交代制12時間労働。

働き方改革で12時間労働が禁止され、
TPPで補助金が廃止されると若者たちが農業から離れ
島々でのサトウキビ栽培は壊滅するそうです。
左上の松は琉球松で美しい、
人の手が入っていると思いましたが自然のままで人の手は入っていません。

上写真のビロウの群落が上陸したとき島々一面にあり
これらを開拓者たちは伐採し良質の建材として家を作り開墾しました。
今残っているビロウは天然記念物として大切に保護管理されています。

上写真の月桃(ゲットウ)はショウガ科多年草常緑草本で美しい花を咲かせます。
花は4月下旬の初夏から、季節を間違い白い花を一輪咲かせていました。
月桃には防菌、防カビ、抗酸化作用があり本土の笹の葉のように利用するのと
サトウキビの結束帯として使用していました。
今は結束帯には使用せず、
葉をハーブティー、化粧水、精油などにして販売しています。

北大東島空港から南大東島空港まで13km、飛行機で7分日本一短い路線、
パイロットは離陸から着陸まで非常に忙しい。
飛行機マニアには憧れのフライトだそうです。
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つづく