管理栄養学科
2024.12.24
【管理栄養学科】大阪府中央卸売市場食品衛生検査所で体験実習を行いました
10月18日と10月25日の2日間、2年生の「食品衛生学実験」の授業の一環として大阪府中央卸売市場食品衛生検査所にうかがいました。
事前に大阪府中央卸売市場の概要や食品衛生検査所で行う主な業務について学内で勉強し、現地では2班に分かれて理化学検査と細菌検査を体験させていただきました。
2種類の検査に取り組んだ理化学検査では、まず食品中の着色料(タール系色素)の検出方法について、実際にTLC(薄層クロマトグラフィー)による判定を体験しました。
ガラスキャピラリーを使用して、着色料をプレートにスポット
プレートを展開溶媒に浸す
展開後、Rf値と蛍光の有無を確認し、食品に含まれる着色料を同定
漂白剤(亜硫酸塩)の検査では、むきえびを使用したアルカリ滴定法の実演を見学しました。
通気蒸留装置を使って亜硫酸を捕集
薬品を入れるとすぐに反応が始まってしまうため、正確な結果を出すためには手際よく作業を進めなければならないことがわかりました。
細菌検査では、生食用の魚介類が主な原因食品である腸炎ビブリオ食中毒について、菌の特徴や食中毒予防のポイントを学んだ後に、実際に腸炎ビブリオの培養・同定を体験しました。
TCBS培地(ビブリオ属を選択的に培養)に白金耳を使用して試験液を塗抹(とまつ)
有塩LIM培地を観察し、運動性の有無や培地の色の変化を確認
どの塩分濃度のペプトン水で菌が発育しているか(濁っているか)を確認
いくつかの異なる培地を用いての培養、同定を行うことで最終的に腸炎ビブリオかどうかを判定することがわかりました。白金耳を用いて培地に菌を塗抹したり穿刺(せんし)する作業は非常に繊細で難しく、また、ペプトン水の濁りの判定も見分けるコツが必要なことが、実際に体験してみてわかりました。
以下、学生の感想の一部を紹介します。
◆食品衛生監視員の業務について理解する良い機会になりました。
◆食品衛生監視員は監視指導業務や検査業務、衛生教育、消費者啓発、相談受付業務を行うことを知りました。
◆検査業務では、細菌検査や理化学検査で有害・不良の食品を流通させないように監視されていることを学びました。
◆買ってきた食材を安心して食べることができるのは、食品衛生監視員の方たちのおかげであるとわかりました。細菌や残留農薬、食品添加物等の検査を行い、有害な食品を市場から出さないようにしてくださっていることをありがたく思いました。
◆食の安全を守る最前線で活躍する重要な職業だと思いました。また、科学的な知識と現場での実践的なスキルの両方が求められ、非常に専門性の高い職種だと思いました。
今回の体験実習を通して、学生たちは食品衛生監視員の業務について多くのことを学び、より食品衛生に興味をもつことができました。
大阪府中央卸売市場食品衛生検査所ならびに市場の皆さまには、今年度も非常に貴重な体験の機会をいただきましたことを心より感謝申し上げます。