【食文化学科】日本細菌検査株式会社とのコラボ授業

食品衛生学実習(2年前期)を担当している林です。
この実習では、食品衛生の重要性を実験を通して理解するために、手洗いによる手の汚れや細菌数の変化、調理実習室内の器具に付着している汚れや細菌数、生の野菜や食肉についている細菌数と洗浄・加熱による変化、卵の鮮度判定、いろんな食品や洗剤のpH測定、食品に含まれる添加物を調べる実験などを行っています。
 
また、毎年、日本細菌検査株式会社の方々にお越しいただき、「手からはじめる衛生教室」を行なっていただいています。今年も7月28日に行われました。
 
日本細菌検査株式会社の経営理念は「微生物由来の食中毒をなくす」で、その一環として、これまで多くの幼稚園・保育園、小・中・高・大学、企業などで「手洗い教室」を開催されています。「ぷー」というマスコットキャラクターや、オリジナルソングやダンスを駆使して、小さな子供でも楽しく手洗いしながら、手洗いの重要性を理解するための活動にご尽力されています。
 
実習では、まず、日本細菌検査株式会社オリジナル商品「SWAB-Pro」を使い、手の汚れの検査を行いました。写真のように、綿棒で手をこすり、たんぱく質汚れに反応して色が変化する液につけることで、汚れの存在を可視化できます。

次に、和式トイレのモデル装置を使って、便に見立てた青いインクが、どこに付着するのかをデモで見せていただき、服やトイレ内のあちこちに飛び散るのを確認できました。特に、ノロウイルス食中毒では、感染者の便の中に大量のウイルスが存在しているので、少しでも手についていると、周りの人の口から入って感染が広がります。公衆トイレでは、前に使用した人が感染していたら、そこから自分も感染するおそれがあるので、それを防ぐためには、トイレ使用後にしっかり手洗いし、手についたウイルスを洗い流すことが重要だということを再認識できました。

次に、実際にあった食中毒事件の原因を、学生たちが報道キャスターや食品衛生監視員になった気分で探るクイズを行いました。食品工場で、床が濡れていて、その水はねによりお弁当に菌が付着したり、バーベキューのクーラーボックスにお肉と一緒に入れていた飲み物にお肉のドリップ(赤い汁)が混入し、食中毒が起きた事件など、意外なところにも食中毒の原因があることを知ることができました。

最後に、幼稚園での「手洗い教室」の様子を動画で視聴し、その後、実際に「ぷー」が登場し、学生達もデンプンジェルを手に塗った後、手洗いを行ない、「ぷー」が「ふしぎな水」(中身はヨウ素液で、ヨウ素デンプン反応によって黒く反応します)を吹きかけて、汚れがしっかり取れているかを確かめました。手洗いの実験は、この実習でも何度も行なっているので、さすが全員1回で合格しました!

学生たちからは、「改めて手洗いの重要性を認識できた」、「トイレでの汚れの広がり方がわかった」などの感想が述べられました。
 
今回もとてもわかりやすく有意義な授業を行っていただいた日本細菌検査株式会社の皆様に、心よりお礼を申し上げます。(今回も「ぷー」を演じてくださったのは日本細菌検査株式会社の社長様です。暑い中、本当にありがとうございました)