管理栄養学科
2026.01.12
【管理栄養学科】食品衛生監視員の検査業務を体験しました

昨年11月28日、「食品衛生学実験」の一環として、大阪府中央卸売市場食品衛生検査所にうかがい、検査業務の体験実習を受けました。
食品衛生検査所にうかがう前に、食品衛生検査所の食品衛生監視員の方に本学にお越しいただき、大阪府中央卸売市場の概要や、検査所で行う業務についてのレクチャーを受けました。食品衛生検査所の信条は、「有害・不良な食品を入れない・作らせない・出さない」であり、そのために、市場内の卸売・仲卸施設等で扱う水産品や農産品の早朝監視や現場検査、検体を採取して検査所で行う細菌検査や残留農薬・食品添加物などの理化学検査、また、市場関係者への衛生教育、消費者からの相談受付や啓発活動などの業務を行っていることがわかりました。

そして、いよいよ検査所での実習ですが、2班に分かれて細菌検査と理化学検査を体験させていただきました。
細菌検査では、生食用の魚介類が主な原因食品である腸炎ビブリオ食中毒について、菌の特徴や食中毒予防のポイントを学んだ後に、模擬検体を用いて腸炎ビブリオの培養・同定を行いました。

腸炎ビブリオかどうかを判定するためには、様々な培地を用いて菌を培養・同定する必要があり、実際には判定までに最長5日かかるとのことでした。また、白金線を用いて検体を培地に塗抹したり、穿刺(せんし)する作業は非常に繊細で難しく、また、塩分濃度の違うペプトン水の濁り具合により好塩性を判定するにはコツが必要なことなど、実際、体験してみてわかりました。
理化学検査では、食品中の着色料(タール系色素)の検出方法のひとつであるTLC(薄層クロマトグラフィー)による判定を行いました。

ガラスキャピラリーを使用して、着色料と食品の検体をプレートにスポット

プレートを溶媒に浸けて展開中 展開後のプレート(一番右が検液) 蛍光を発する色素の確認
最終的に、各色素と検体のRf値(原点から分離した距離/原点から展開線までの距離)と蛍光の有無を確認し、検体に含まれる着色料を同定しました。

また、食品中の漂白剤(亜硫酸塩)の検査として、むきえびを使用したアルカリ滴定法を実演いただきました。

通気蒸留装置を用いて食品中の亜硫酸を捕集し(左)、アルカリ滴定法によってその量を算出(右)
薬品を入れるとすぐに反応が始まってしまうため、正確な結果を出すためには手際よく作業を進めなければならないことがわかりました。
以下、学生たちの感想の一部を紹介します。
◆実習時間があっという間に感じられて、もっと色々なことを聞きたいなと思った。
◆細菌検査では、大学では見たことのない本物の菌もたくさん見せてもらってすごく勉強になった。
◆ どの検査も1つ1つ慎重に緊張感を持って進める必要があると感じた。
◆実際の現場では、結果がわからない状態で検査を行うので大変な仕事だと感じた。
◆食品や食品添加物には成分規格や使用基準が定められていることや、法律があることにより問題が起こる前に危害の発生を防止していることを知った。
◆ 見たことや使ったことのある器具がたくさんあって、これまで行ってきた実験実習の経験は、将来このような場でも役立つ可能性があるのだと分かった。
◆目に見えないものを見えるようにする技術の面白さと、食品の安全性を支える検査の重要性を改めて感じるよい体験となった。
◆安全安心に食べることは、全ての人にとって大切なので、食品衛生監視員という仕事は非常にやりがいと責任のある仕事だと思った。
大阪府中央卸売市場食品衛生検査所ならびに同市場の皆さまには、今年度も貴重なレクチャーと体験実習の機会をいただきましたことに心より感謝申し上げます。
