舞台芸術表現学科
2026.07.07
◆「舞台芸術入門」で、文楽の豊竹希太夫さんがゲストに!

「舞台芸術入門」を担当している中本千晶です。
6月29日の授業では、文楽太夫の豊竹希太夫さんにゲスト講師としてご登壇いただきました。
座学ではなく義太夫節体験をメインにしてくださるとのことだったので、存分に声が出せる教室に変更しての授業に。
最初に「日本の伝統芸能である語り物の技法を学ぶことは、舞台芸術表現学科の皆さんにとって必ず役立つことがあるはず」とのお話があったのが印象的でした。
能狂言や歌舞伎や歌舞伎と異なり、文楽には家制度がありません。研修生制度によって誰でも文楽の世界に入ることができ、そこから人間国宝になった方もいます。希太夫さんご自身も、最初は大学で建築を学んでおられたのが、研修生の制度を知って、この世界に飛び込まれたそうです。
アニメの声優と異なり、ひとりで様々な役を語り分けながら物語を進めていくのが文楽太夫の役割です。講義の前半では老若男女から観音様、狐といった人間以外のものまで、8つの作品から11もの役の語り分けをご披露くださいました!
時代物の猛々しい武将を語る時の声の力強さたるや、建物中に轟くばかりで、「これは教室変更しておいて良かった…」と胸を撫で下ろす私(笑)
語った後は、それぞれの役柄らしさを表現するために具体的にどのような工夫が加えられているのかを細やかに教えてくださいました。オペラやクラシック音楽もお好きだという希太夫さんは「この部分はオペラのレチタティーヴォに当たります」といった用語も交えて解説してくださいます。
授業の後半には、学生も義太夫節にチャレンジしてみました。

「いっ」の後で息継ぎをして、「た〜は〜は〜り〜」と伸ばすことで光秀の風格を表現します。

質疑応答では「三味線との合わせ方は昔から変わってないの?」「噛んでしまうこともある?」「喉のケアはどうしているの?」といった素朴な質問も。
希太夫さんからは「先輩の太夫さんの言い間違いを聞いて笑いが堪えきれなくなったこともあります」といった舞台でのエピソードも交えながら丁寧なお答えがありました。
「スマホで映像が手軽に見られる時代ですが、それでは伝わらないものが文楽にはあります」という、締めのお言葉が説得力を持って胸に響いてきた講義でした。
