日創研修旅行 ①着物で

日本文化創造学科では、4月21〜22日、
新1年生を対象に、1泊2日の研修旅行を実施しました。
「美山かやぶきの里と京都伝統体験」の旅です。

 

1日目は、京都府南丹市の「美山かやぶきの里」を訪れ、
美山町自然文化村内にある「河鹿荘」泊。
2日目は、京都市内に入り、京友禅染め体験→着物着付け
→昼食→高台寺にて茶道体験、といったスケジュール。
 

1年生の必修授業「日本語トレーニング(読む・書く)」では、
さっそくこの研修旅行をテーマに、
その中で最も心に残ったことを書いてもらいました。
これから何回かにわたって、参加した1年生の文章をご紹介します。

 

 掲載の順序は少し前後しますが、まずは、研修2日目の着物の着付け体験。
浴衣は着たことがあっても、着物を着るのは初めてという人も多く、
皆さん、とても楽しみにしていたようです。
そのわくわくする気持ちを綴ってくれたAさんの文章から。

(by 大谷)

私は着物を着たことがなかった。浴衣は 毎年花火大会の時に母や姉に
着付けてもらっていたが、着物は 成人式の日にやっと着ることができる
憧れの存在だった。

 

京都研修二日目、朝から 私は自分でできるように前日から何度も練習した
髪形にして、「ご飯をいっぱい味わって下さい。」というような朝食を
いただいた。朝食は美味しくて、わくわくした気分はさらに高まった。

 

 部屋に戻ってすぐに、もっと可愛くなりたくて化粧をした。着物が似合う
ように、部活で焼けてしまった肌にしっかりとファンデーションを塗り
できるだけ白くした。真っ赤な口紅は持っていなかったけれど、口にも
頬にも紅を差して、とにかく化けられるように頑張った。

 その日の移動中は、ほとんど「日本和装」のCMの歌が頭の中に流れていた。
いよいよ着物を選ぶ時が来て、すごく迷った。私は背があまり高くないので
誰かに先に着物を持って行かれてしまう事はなかったけれど、種類が少なかった。

 

好みの色や柄、大きな花柄や小さい花柄、いろいろ迷いながら、自分には
少し「ハデ」だと思った 色とりどりの大きな花が咲いている柄の着物を
手に取った。そうしたらすぐに 「着付け師さん」に声を掛けられた。

 

まだ迷いがあったその着物を着ることに決まって、
私は さっそく鏡の前で着付けてもらった。
人の手によってドンドン変わっていく自分の姿に、目が離せなかった。
帯を巻かれると、着物という憧れの存在を やっと身につける事ができた。

着てみると浴衣よりも重くて、帯がしっかりしていた。
小学生の時に背負っていたランドセルよりも 背筋が伸びた気がした。
だから自然と着くずれしないようにピンと歩けたし、
着物を返す時まで あまり着崩れずにいられた。

 

私は この京都研修で憧れていた事が一つできて 本当に良かったと思う。
また着物を着る二年後の成人式が 今から楽しみで仕方がない。
その時も着崩れせずに、もっと可愛く化けられるように振袖を着たいと思う。

(A)