ラオスの食文化紀行 第2弾

関野先生によるラオスの食文化紀行の第2弾です。
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2)ラオスの国事情

ラオスの背骨、メコン川。タイとの国境線の3分の2がメコン川です。
鉄道が引かれていないので人・物の河川舟運は今も大いに活躍中。
ラオスの人々の夢は列車に乗ること、海を見ること、雪を見ることだそうです。
  • 高床式家屋

  • プルメリア

8~9月のメコン川の氾濫と暑さ対策で高床式家屋(左写真)が伝統です。
自宅はお金ができたとき少しずつ自分で建てるのが習わしだそうです。
プルメリアはラオスの国花(右写真)です。
ハワイなどでレイを作るのに使われているのでハワイなどのイメージですが
自生地は東南アジア・中南米。
街路樹、公園などそこかしこで白や赤の可憐な花が咲き、
美しい香りを放っていました。
 

現在のラオスを築いた
ラーンサーン王国の都ルアンパバーンは
1995年町全体がユネスコ世界遺産に登録。
ここでは観光客も托鉢に参加できます。

寺院から僧が行列で出てきて大き目のティップ・カオに入った蒸しもち米を
小さく丸めて僧の鉢に入れます、200名ほどの僧が私たちの前を通りました。
僧の鉢にもち米を素早く入れるのは難しかった。

 上座部(※ジョウザブ)仏教を信仰する社会では
 「一生に一度は家を出て離脱を求め修行せよ」とあり出家経験が社会からの信頼を得ます。
 かつては僧院が唯一の教育機関で読み書き知識を学ぶ場でもありました。
 出家はいつでもOKで、
 飽きたらいつでも還俗(ゲンゾク、僧が僧籍から俗人にかえること)ができます。
 
※仏教には二つの流れがあり、一つは上座部仏教で戒律を厳格に守ることを重んじる教え。
 二つ目は日本に広まっている大乗(だいじょう)仏教でお釈迦様の教えを広く大衆に広める教え。

右写真はワット・マイ・スワンナープン・アハーン「アハーン(美しい)スワンナープン(黄金の国土)マイ(新しい)ワット(寺院)」で最も美しい寺院の一つ。
屋根が五重に折り重なるルアンパバーン様式、1788年に建設がはじまり完成まで70年を要したそうです。

左写真はパークウー洞窟に住民が運んだ仏像が所狭しと4,000体ほど置かれている様子です。
フランス人探検家が発見したそうです。
右写真はブッダパークと呼ばれる公園で200体ほどの仏様が無造作に置かれた摩訶不思議な公園です。
仏教とヒンドゥー教に傾倒した宗教家で彫刻家のスリーラットさんが1958年に完成させました。
人々が窮屈なこの世から解放される世界を造ったそうです。
素材のコンクリートが風化して黒ずみ何か古代遺跡のようです。
右写真の涅槃(ねはん)仏の大きさが前の家と赤色のプルメリアの木からご想像ください。
 

寺院前でカゴの中に雀の子供が3~4羽入っています、その雀を売っています。
これを買って雀を放すと束縛されていた鳥を開放することで功徳を積んだことになるそうです。
 

 
ラオスは仏教・美しい花々・美味しい果物と暑さの国、
半日でハンカチが汗でグッショリしたのは久しぶりでした。
労働人口の80%が農業に従事しており、GDPは低いそうですが、
食料が豊富で飢餓・物乞いの状況を観光客の私たちは見ることが少なく
素朴な人々の集まりでした。
人口が国土のわりに少なく、工業の発達が遅れていますが
仏教という背骨が1本通っており、これからが楽しみなラオスです。