管理栄養学科
2017.08.07
【管理栄養学科】ドクター寺井のこっそり解剖生理学解説
管理栄養士を目指すには、人体の構造と機能および疾病の成り立ちについてしっかり理解しておく必要があります。管理栄養学科1年生では解剖生理学を学びます。その講義を担当している寺井です。
先週、前期試験が終わり、解剖生理学に関しては全員がしっかり勉強した結果、不合格者はいませんでした。講義担当者としてホッとしているところです。しかし、正解率が低い問題がいくつかありましたのでこっそり紹介します。国家試験を意識したオリジナル問題ですが、少し難しかったかな?
収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg、拡張期血圧(最低血圧)が80mmHgの時、平均血圧はどれだけか。
1つ選べ。
1 60 mmHg
2 100 mmHg
3 110 mmHg
4 120 mmHg
5 220 mmHg
3を選んだ学生が87%と圧倒的に多かったのですが、正解は2ですね。
収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧といいます。脈圧の1/3を拡張期血圧に加えたのが平均血圧です。
3を選んだ学生は単純に収縮期血圧と拡張期血圧を足して2で割ったようですね。管理栄養学科1年生の後期では解剖生理学実験が始まります。実験の中でバイタルサイン測定を行うので、もう一度血圧について理解を深めてもらいましょう。
肝臓に出入りする脈管について間違いはどれか。1つ選べ。
1 肝静脈は、肝門から肝臓に流入している
2 固有肝動脈は酸素を多く含んでいる
3 門脈を流れる血液は、静脈血である
4 固有肝動脈は小葉間動脈、門脈は小葉間静脈となり、洞様毛細血管(類洞)につながる
5 総肝管は、肝門から出た後は胆嚢管と合流して総胆管となる
4を選んだ学生が36%と多かったのですが、4の文章は正しいです。肝静脈は肝臓から流出する血管なので門脈は通りません。間違っているのは1ですね。
肺気量分画で、1回換気量(a)500ml、予備吸気量(b)2000ml、予備呼気量(c)1000ml、肺活量(d)3500ml、残気量(e)1000mlの時、機能的残気量と全肺気量の組み合わせで正しいのはどれか。1つ選べ。
機能的残気量 全肺気量
1 3500 ml 8000 ml
2 2500 ml 8000 ml
3 2500 ml 4500 ml
4 2000 ml 4500 ml
5 2000 ml 3500 ml
正解は4です。3を選んだ学生も38%いました。
全肺気量とは、肺活量(d)に残気量(e)を加えたものです(3500ml+1000ml=4500ml)。残気量とは、最大の呼息をした後でも、気道や肺胞に残っている空気量です。設問の図ではeの部分です。機能的残気量とは、その残気量(e)に予備呼気量(c)を加えたものです(1000ml+1000ml=2000ml)。設問にはヒントのつもりで肺気量分画の図を付けたのですが、機能的残気量を理解していない学生が多かったようです。
1年生の後期も解剖生理学の講義が続きます。今回の試験結果を参考にして、よりわかりやすいエレガンスな授業にチャレンジしたいと思っています。
先週、前期試験が終わり、解剖生理学に関しては全員がしっかり勉強した結果、不合格者はいませんでした。講義担当者としてホッとしているところです。しかし、正解率が低い問題がいくつかありましたのでこっそり紹介します。国家試験を意識したオリジナル問題ですが、少し難しかったかな?
1 正解率5%
収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg、拡張期血圧(最低血圧)が80mmHgの時、平均血圧はどれだけか。
1つ選べ。
1 60 mmHg
2 100 mmHg
3 110 mmHg
4 120 mmHg
5 220 mmHg
解説
3を選んだ学生が87%と圧倒的に多かったのですが、正解は2ですね。
収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧といいます。脈圧の1/3を拡張期血圧に加えたのが平均血圧です。
3を選んだ学生は単純に収縮期血圧と拡張期血圧を足して2で割ったようですね。管理栄養学科1年生の後期では解剖生理学実験が始まります。実験の中でバイタルサイン測定を行うので、もう一度血圧について理解を深めてもらいましょう。
2 正解率23%
肝臓に出入りする脈管について間違いはどれか。1つ選べ。
1 肝静脈は、肝門から肝臓に流入している
2 固有肝動脈は酸素を多く含んでいる
3 門脈を流れる血液は、静脈血である
4 固有肝動脈は小葉間動脈、門脈は小葉間静脈となり、洞様毛細血管(類洞)につながる
5 総肝管は、肝門から出た後は胆嚢管と合流して総胆管となる
解説
4を選んだ学生が36%と多かったのですが、4の文章は正しいです。肝静脈は肝臓から流出する血管なので門脈は通りません。間違っているのは1ですね。
3 正解率38%
肺気量分画で、1回換気量(a)500ml、予備吸気量(b)2000ml、予備呼気量(c)1000ml、肺活量(d)3500ml、残気量(e)1000mlの時、機能的残気量と全肺気量の組み合わせで正しいのはどれか。1つ選べ。
機能的残気量 全肺気量
1 3500 ml 8000 ml
2 2500 ml 8000 ml
3 2500 ml 4500 ml
4 2000 ml 4500 ml
5 2000 ml 3500 ml
解説
正解は4です。3を選んだ学生も38%いました。
全肺気量とは、肺活量(d)に残気量(e)を加えたものです(3500ml+1000ml=4500ml)。残気量とは、最大の呼息をした後でも、気道や肺胞に残っている空気量です。設問の図ではeの部分です。機能的残気量とは、その残気量(e)に予備呼気量(c)を加えたものです(1000ml+1000ml=2000ml)。設問にはヒントのつもりで肺気量分画の図を付けたのですが、機能的残気量を理解していない学生が多かったようです。
1年生の後期も解剖生理学の講義が続きます。今回の試験結果を参考にして、よりわかりやすいエレガンスな授業にチャレンジしたいと思っています。