南九州の旅 前編

関野先生による「南九州の旅」、前編です。

みなさま
こんにちは、関野です。南九州に行きました。

1)宮崎県

①日南市

宮崎県日南市にあるトロピカルドーム(大温室)でバニラの花を初めて見ました。バニラはメキシコ原産でラン科のつる性植物可愛い花を咲かせ、花の寿命は開花から8時間で受粉できなければ花は落ちてしまいます、虫媒花で花の香りはありませんでした。バニラの種子を収穫し、発酵・乾燥を繰り返すキュアリングと呼ばれる作業を行うことで初めて独特の甘い香りがするバニラビーンズになります。そこから抽出工程を経て、バニラ香料が生まれます。
 
16世紀にスペイン人コルテスがメキシコから欧州に持ち帰り19世紀にマダガスカルなどブルボン諸島で人工栽培を始めました。メキシコにいる昆虫「メラホナ」による自然受粉が必要で、初めは上手く行きませんでした。1848年人工栽培の方法を12歳のエドモンド・アルビウスが発明し、彼は最高級品の「ブルボンバニラの父」と呼ばれています。発明以降7年間は10kg程度で1858年には3トンを超えバニラ栽培は大きく発展しました。バニラの最高級品はマダガスカル産で豊かな甘い香りは世界中の人々から愛されています。バニラの香り成分バニリンを石油から人工的に作り安価な菓子類などに多用されてきましたが2015年ネスレやハーシーズなどが天然素材しか使わないと発表するなど先進国の健康志向からの天然素材へのこだわり、世界一生産量のマダガスカルのサイクロンや干ばつによる被害で今はサフランに次ぐ2番目に高価なスパイス、一時銀よりも高価になりました。

鵜戸神宮は日南市にある神社で圧倒される風景です。日向灘(ひゅうがなだ)に面した断崖の中腹の岩窟内に本殿が鎮座し神社としては珍しい「下り宮」。平安時代以降、海中にそびえ立つ奇岩とも相まって修験道の一大道場として「西の高野」とも呼ばれ霊地として栄えました(パンフレットより)。ここにはたくさんのウサギが祭られ卯年の方々の神社です。
 

②串間(くしま)市

宮崎県の最南端の都井岬に御崎馬(岬馬)がいます。体長130cmぐらいでがっちりした体で頭部が大きい小型の馬。今年の春駒(子馬)は7頭だそうです。1697(元禄10)年高鍋藩秋月家が設置した藩営牧場です。現存する5コの日本在来馬の1ツで純粋な日本在来馬として1953年に天然記念物に指定。最近は130頭前後で安定し、半野生状態で宮崎県の観光資源として重要な役割を果たしています。


後編に続きます。