食文化学科
2019.08.05
食の仕事研究論(東京編)
みなさん、こんにちは。
さて前回の京都研修編に続き、
「食の仕事研究論」東京研修編をお届けします。
受講生一行は、京都研修の一週間後、休む間もなく、東京研修に臨みました。
6月8日11時に、新緑のきれいな皇居で集合★
最初の研修先は、皇居外苑にある楠公レストハウスです。
総料理長・安部憲昭さんは、再現料理のエキスパート。
江戸時代の料理書を丹念にご研究され、
当時のレシピからの再現料理を盛り込んだ江戸エコ重を提供されています。
今回の研修では、安部さんのお取り組みについてのお話を伺い、
その意義について、皆で話し合いました。
-
江戸エコ重
-
米麹糖蜜と古代の蘇を使用した安部さんの新作スイーツ
また外食業界の実情を踏まえながら語ってくださった安部さんの仕事の哲学は、
学生たちに勇気と励みを与えてくれる大変貴重なお話でした。
さて楠公レストハウスでの研修後、
一行は急ぎ足で、高輪台にある味の素食の文化ライブラリーをたずね、
食文化研究資料のご案内のエキスパート・草野美保さんの講義を受けました。
食の文化ライブラリーは、約5万冊もの食関連書籍が所蔵された専門図書館です。
草野さんからは、図書館の概要についての説明のみならず、
貴財団が所蔵する古料理書類や錦絵などもご紹介いただき、
食文化研究の奥深さにふれる貴重な時間を過ごすことが出来ました。
また図書館に併設されたちいさな博物館や展示室では、
江戸時代から昭和時代にかけての料理のレプリカから、当時の居間や台所などが再現され、
各時代の食生活にタイムスリップできる楽しみも味わうことが出来ます。
食文化学科の学生たちには、たまらなく魅力的な施設であることに間違いありません。
さて最後の東京研修は、新宿中村屋での近代料理講習。
明治時代の西洋料理にお詳しい二宮健さん、広報の廣澤久美子さんのレクチャーを受け、
近代日本食生活史における新宿中村屋の文化的意義について、話し合いました。
貴重なご講演の後には、明治時代の料理書からの再現料理コースをご提供いただき、
150年前の料理書執筆者たちの心に想いを馳せました。
また新宿中村屋名物「インドカリー」の父:ラス・ビハリ・ボースのドラマについてもお話をお聞きし、
明治時代の再現カレー、そして名物「インドカリー」のお味見もさせていただきました。
-
明治時代の再現カレー
-
新宿中村屋名物「インドカリー」
以上、少々慌ただしいプランではありましたが、
どの訪問先でも、素晴らしい方々との出会いに恵まれた東京研修となりました。
お世話になりました安部さん、草野さん、二宮さん、廣澤さん、
貴重なご講演に、心より御礼申し上げます。