【こども学科】ヨーロッパ研修その3

今日はレッジョ・エミリア市にある、レッジョ・チルドレンセンターで「レッジョ・エミリア・アプローチ」についての研修を受けてきました。

レッジョ・エミリア・アプローチとは、レッジョ・エミリア市発祥の世界的に有名な幼児教育実践法です。私たちが行った、レッジョ・チルドレンセンターには世界中からレッジョ・エミリア・アプローチのことを学びに教育者や私たちのような学生が見学に来るそうで、長期滞在をして学ぶ人もいるそうです。

午前中の研修で話をして下さったのは、ロレーラさんという方で元々は小学校の先生をされていた方ですが、大学に入り直し教授法を学ばれたそうです。

レッジョ・エミリア・アプローチは子どもを中心とした教育法です。レッジョ・エミリア市では0〜3歳までの保育園と3〜5歳の幼稚園があり、クラスごとに部屋の環境を変え、子ども自ら学べるよう整えているそうです。

各クラスの他にアトリエと呼ばれる部屋があり、またそこにはアトリエリスタと呼ばれる美術の専門の方がいます。アトリエには様々な素材が用意されていますが、美術を身につけるのではなく、様々な素材に触れることで、思考力を促進するための場所と考えられています。

話の中で子ども達が保育を受けている様子やアトリエで活動している様子の動画を見せていただきました。子ども達が自分から素材を選び遊んでいる様子や友達同士で関わることで遊びが膨らみ、生き生きとしていて心が弾むような気持ちになりました。
 

 
午後はアトリエリスタのレナさんの案内でセンター中の展示を見学しました。実際に子ども達が遊んだ光に関する展示がありました。色のついた照明を当てることで、影の色が変わる、ブラックライトを当てると色によって鮮やかに発色する展示があり、とても楽しかったです。

紙や木だけではなくプロジェクターや、パソコン等を使い、ものの写り方や影の変化を見ることができ興味深かったです。

デジタル機器を子どもが使うことへの影響等について学生から質問がありましたが、動画やゲーム等の受け身の関わりはなく、画面に移すという積極的な手段としての関わりと考えられているそうです。
 
 

子ども達が使っている素材も多く展示されていて、色鉛筆、ペン、筆等の画材、様々な紙、木等自然素材が多くありました。素材を多くすることで、黒い紙に黒いペンで描くと線が見えた等、子ども自らが発見できるような環境を大事にしているそうです。その材料は全て、さまざまな企業などからの廃材をリサイクルしているそうです。
 

子どもと関わる仕事を行う私達にとっては大変貴重な時間であり、今後ここでの学びを活かしていきたいと思える1日でした。
(おおくぼとうこ、もりみさ)