食文化・夏休みのスイス②

みなさま、こんにちは、関野です。
夏休みも後半、いかがお過ごしですか。
休みを利用してスイスに行きました。その第2弾です。

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3)グリンデルワルト


グリンデルワルトのホテルのベランダから見える風景。
右は有名な標高3,970mのアイガー、
北壁が有名ですが残念ながらここからは見えません。
ユングフラウ、メンヒと並びユングフラウ三山の一つ。

グリンデルワルトは観光地で有名ですが、
山岳酪農の村でもあります。

ブラブラ歩いていると放牧された牛に出会います。
この季節は緑の牧草を食べさせるために放牧をし
乳を搾り保存食のチーズを作ります。
夏が終わると山から下り牛舎に入れられ
牧草は刈り取られ冬用の餌に牛舎近くで保存。
乳はアイガーミルクというブランドで販売されています。

ここには200軒ほどの牧場農家があり、
15頭の牛と3頭の豚がいるルビーさんの小さな牧場でチーズ作りを見学し
チーズ作りを体験しました。

6月から新しい牧草で長期保存に向くハードタイプチーズを
作るそうで朝5時と夕方5時の2回搾乳。
一冬10.5㎏のチーズを200~240個を15頭で作れるそうです。
上写真は乳を37℃に温めチーズを作っているところ。

ここでできたチーズはチーズの保管建物に移され
塩水を含んだ布で毎日全体をふきます。
1年物は17スイスフラン(1スイスフランは117円)/kg、
2年物は20スイスフラン/kgぐらいで販売するそうです。

小さな器にルビーさんが作ったカード(乳が固まったもの)を入れて
上から手で押し水分を除き私のチーズを作りました。
塩水を含んだ布で毎日全体をふき
3週間熟成後ナチュラルチーズになって出来上がりです。


チーズ作りの部屋からパイプを豚の水飲み場につなぎ
チーズ作りで残ったホエイ(乳清、カードを取り除いた残液)を
流しいれて豚の飲み物にしています。
できたてのチーズ、ホエイ、搾りたての乳を味見させていただきました、
どれもあっさりした味です。


アルプス山麓の牧草地は広大でこの景観を保つためには
牛が牧草を食べ人間が牧草を毎年刈り取る作業が必要不可欠。
そのため牧場農家には国から多額の補助金が支給されているそうです。
牧場の美しい景観が多くの観光客を呼び込み、
観光業が成立しています。
 

4)ベルン

スイスの首都ベルンにある、アインシュタインハウスを訪ねました。

20世紀最大の物理学者で現代物理学の父である
アインシュタイン(1879~1955年)は
チューリッヒ連邦工科大学卒業後、
1902年ベルンのスイス特許庁に技術専門職として3年間ほどここに住みました。

奇跡の年と言われる1905年に「特殊相対性理論」などの
3ツの重要な論文を特許庁の仕事をしながら発表。
ここでは物理学に取り組む時間が充分にあり、
特許申請書類中の発明理論、数式を知る機会が数多くあり
彼にとって幸運だったそうです。

写真右の狭い木製のらせん階段を上がると
彼の暮らしていた部屋に研究資料などが展示され、
彼の一生をニュースビデオで放映していて興味深いものがありました。

自然の厳しいスイスでは保存が効くチーズ産業が発達し、
このチーズ産業が観光業にもつながる好循環ができているのを学びました。
現地に行かないと分からないことが多いですネ。


また、今のスイスはヨーロッパ共通の難民流入と
日本と同じ年金問題が課題だそうです。