食文化・香川食ツアー③

香川食ツアーの続編です。
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2) こんにちは、食文化学科4年のNです。
うどんの味比べから、東かがわ市にある羽根さぬき本店(三谷製菓)へ
「讃岐和三盆(わさんぼん)」を学びに行ってきました。



和三盆は、香川県(讃岐和三盆)・徳島県(阿波和三盆)の
四国東部で作られる砂糖の一種で、
この名前は「盆の上で砂糖を3回研(と)ぐ」の、日本独自の精糖工程からきているそうです。

和三盆は吉宗が享保の改革でサトウキビの栽培を全国に奨励し、
その奨励に高松藩が応えたことから始まりました。
藩の目的は特産物創成と財源確保だったそうです。
サトウキビは地元産の在来品種「竹糖(ちくとう)」で、
熱帯のサトウキビとは異なり、背丈が短いそうです。



和三盆を作る実際の工程をビデオで拝見し、
その歴史・作り方を学び、
和三盆の作り方はとても手が込んでいて、根気がいることを知りました。

上写真は砂糖締車(しめぐるま)と呼ばれる道具で
昔はこの道具で一本一本絞って、サトウキビの汁を取っていました。
今はサトウキビを粉砕して一気に絞る作り方もあるそうですが、
三谷製菓では今も一本絞りにこだわり、三谷製菓独自の和三盆を作っているそうです。



上写真は「押し槽(ふね)」と呼ばれる道具で、実際に使われていて窓越しに見ました。
省エネで機械によるプレス圧縮などを試行錯誤したそうですが
最終的には、昔ながらのこの押し槽での糖蜜の圧搾になったそうです。
棒の先に掛ける石の重みでゆっくり圧搾することで、
優しい甘さの糖蜜が流れ出します。



出来あがった和三盆は四季それぞれの季節の花の形や、
お祝い事をイメージした形などがあり、繊細でとても綺麗でした。
試食をさせていただきましたが、口の中にフワーッと広がる甘味は
優しく何とも言えない味わいです。


今も伝統文化や味を守りついでいる現場を肌で感じ、日本のものづくりに感動しました。
また、羽根さぬき本店には、歴史を感じる昔からの生活用品も置いてあり、
風情があってとても素敵な場所でした!

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つづく