食文化・座禅草と宝牧場

みなさま、こんにちは、関野です。
滋賀県高島市に行ってきました。
 

1) 今津のザゼンソウ群落

1月から3月に開花する座禅草の花を観賞に行きました。





高島市今津町弘川の湿原に3000株の座禅草の花が咲き、
湖西に春を告げていました。

座禅草はサトイモ科の植物で僧の座禅の姿に見えるので、この名が付けられました。
1981年に地元の中学生がこの群生地を見つけ、その後大切に保護されてきました。
冷帯、温帯の山岳地の湿地で生育する多年草で、
この地域の座禅草が日本の南限だそうです。


この地域の冬は雪が積もり、開花時に座禅草の周りの雪が解けている写真を見ましたが、
今年は雪がなくその光景を見ることができませんでした。
座禅草は、開花をする時に自分の力で25℃位に発熱します。
この発熱の仕組みはまだ解明されていませんが、
この発熱で周りの雪、氷を解かして他の花より早く顔を出し
この時期に少ない昆虫を独占し受粉の確率をあげるためだと言われています。

開花後は大きな葉を成長させ来年に向けて根に栄養をたくわえます。
また、花粉を媒介する昆虫はハエなので発熱時に悪臭も出し
ハエをおびき寄せているそうで、
英語では座禅草をスカンクキャベツ(Skunk Cabbage)と呼ぶそうです。
座禅草ってすごいですネ!
 

2)宝牧場

弘川から少し足を延ばし朽木の宝牧場を見学しました。



宝牧場は放牧地がなく、400頭のホルシュタイン種の牛を
つながずに自由に動き回れるように飼育するフリーバーン方式で飼育していました。
この方式はエサを食べるときや寝るときも自由に動き回ることができるため、
ストレスが少なく美味しい牛乳ができるそうです。


牛は耳に黄色のタグを付けています、昔は焼き印でした。
BSE(狂牛病)のまん延防止のため、
日本では耳タグに10桁の耳票番号を付ける義務が畜主にあります。
これで、牛一頭毎に誕生から死亡までの一生を把握・管理し
牛の生産流通履歴情報(トレーサビリティ)を確立しています。


宝牧場、昨年ゼミ研修で行った弓削牧場も観光牧場です。
本業は牧畜ですが、客を呼び込み自家製畜産品の食事を提供し、
お土産にも畜産品をたくさん買ってもらいます。
これは、都市近郊型の牧畜が生き残る道の有効な手段の一つで
牛のテーマパークのようなものですネ。